12月22日(土)は横浜でとある写真つながりの方々との忘年会でした。
それに先立つこと、数時間前、秋葉原で行われたナイトフォトツアーズ 2019年星景写真対策講座に参加してきました。すでに参加予定であることは以前少し書きました。
記事:2018年の師走も近づき、2019年の星景撮影スケジュールをそろそろ準備しようかなと思う今日この頃
さらには星空年鑑2019も購入しました。そこで得たことに私流の解釈を多少加え、来年の私のスケジュールを考えます。
こんなことを書きます!
ずばり2019年の星空とは!
なぜか?
- しぶんぎ座流星群(1月4日)
- 部分日食(1月6日)*
この年明け二つの天文現象が2019年最大の天文現象となるためです。
*注:2019年は1月と12月に2回部分日食がある年です
天文現象的には2019年はハズレ年かもしれません。
さらに言うと多くの方にとって部分日食への参加は敷居が高くなります。もしかしたら1月4日のしんぶぎ座流星群が終わったら、残り361日をのんびり過ごす年なのかもしれません。(嘘です)
今回はまずしんぶぎ座流星群と日食の撮影について書き、残りは改めて書きたいと思います。[2018年12月30日追記] 下記のように書きました。
記事:平成最後の座流星群 しぶんぎ座流星群 撮影スケジュールプラン 1時間20個もありえる?
記事:平成31年1月6日 平成最後の日食(部分日食)撮影スケジュールプラン 2019年の12月は2回目の、そして新元号最初の部分日食もあるよ
記事:2019年2月と3月の月初は月と惑星が良い感じ?おっと3月はCP+とぶつかった。。。4月は?
記事:2019年の展望 5月から12月まで一挙にまとめ ハイライトは5月のみずがめ座流星群でそのあとは・・・
しぶんぎ座流星群
私が撮ったことがない流星群です。。。ちなみにしんぶぎ座というものは現在星座に数えられていません。
うしかい座とりゅう座の境界付近を放射点として出現する流星群です。かつてこの流星群の放射点の近くに四分儀座という星座を設定していたため、「四分儀座流星群」と呼ばれていたことから名称のみ流星群の名前として残っているものです。
毎年1月1日頃から1月5日頃に出現が見られ、1月4日頃に鋭い出現のピークを迎えます。ピークの前後1時間から4時間程度の短時間しか激しい活動が続かないという特徴があり、ピークが昼間に当たった年はあまり多くの流星を見ることができません。まさに2019年がその年です。
極大日:2019年1月4日(金)午前11時
極大時には1時間あたり20個から40個程度の出現が見られ、活発な年には1時間に60個もの出現が見られることもあるため、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群と共に年間三大流星群の1つに数えられてはいます。
ただし、上記したように日本では極大日が日中に当たり、激しい活動時間は過ぎる前、あるいは過ぎてからの星景撮影になります。
2019年の流星群展望
それでもしぶんぎ座流星群が2019年最大の天文現象に数えられるのはなぜか?他がもっとだめだからです。
日中に極大日を迎えたり、月齢が満月や半月など月の影響が強いのです。下記の撮影条件は私の主観的な評価です。
名称 | 極大日 | 月齢 | 条件 |
しぶんぎ座 | 1月4日11時 | 27.8(ほぼ新月) | 〇 |
こと座 | 4月23日9時 | 17.8(満月) | ✖✖ |
みずがめ座 | 5月6日23時 | 1.2(ほぼ新月) | ◎ |
ペルセウス座 | 8月13日17時 | 12.0(満月近く) | ✖ |
りゅう座 | 10月9日16時 | 10.4(満月近く) | ✖ |
オリオン座 | 10月22日9時 | 23.4(新月近く) | ✖ |
しし座 | 11月18日14時 | 21.0(半月近く) | ✖ |
ふたご座 | 12月15日2時 | 18.5(満月近く) | ✖ |
こぐま座 | 12月23日12時 | 26.5(新月近く) | △ |
しんぶぎ座流星群撮影に向けては?
1月4日(金)11時に極大日を迎え、そのピークの前後1~4時間程度の短時間にしか活発な活動が見られないので、午前7時がぎりぎりの線です。
活発な活動までいかなくともその少し前、午前4時~5時が最良の撮影時間でしょうか。
月齢カレンダー情報:東京地方
- 日没時間:16:40分 — 1月3日
- 月齢:27.8、新月
- 月出:5:00(115度)
- 正中:10:09(2度)
- 月没:15:16(244度)
- 日出時間:6:51分
日没時間が16時40分でその時には月が没していて、翌朝5時に月が昇ってきますが月齢27.8の新月なので月がないと考えてよいでしょう。
しんぶぎ座流星群のピークが11時のため、日の出前の薄明時間帯までの数時間がやはり狙いです。
部分日食
1月6日(日)の部分日食は午前中に日食が始まります。
なお、太陽はたいへん強い光と熱を出しているため、直接肉眼で太陽を見ると短い時間であっても目を痛めてしまいます。十分注意をして、日食グラスなどを用意するなど安全方法で観測が必要です。用意するだけでなく正しく使用ください。太陽がどんなに欠けていても光と熱が強烈であることは変わりません。安全な方法で観察しなければ、最悪の場合失明する危険性があります。
日食カレンダー情報
国立天文台による主な地点での日食予報です。
地点 | 食のはじめ | 食の最大 | 食分 | 食の終わり |
札幌 | 8:46:30 | 10:13:26 | 53.9% | 11:47:20 |
仙台 | 8:44:03 | 10:09:42 | 46.9% | 11:42:31 |
東京 | 8:43:49 | 10:06:21 | 42.1% | 11:36:32 |
京都 | 8:40:37 | 9:57:47 | 38.5% | 11:23:51 |
福岡 | 8:38:37 | 9:47:24 | 31.8% | 11:04:41 |
*注:食分:月によっておおわれた太陽の直径の度合い
食の始まり: 8時43分47秒
食の始まりから食の最大まで: 1時間22分32秒 (約42%の食分)
食の始まりから食の終わりまで:2時間52分43秒
食の終わり: 11時36分32秒
どこで撮るか?
日の出後の日食なので南東側が開けたところを探す必要があります。
- 神奈川県 三崎半島の先端、城ヶ島
- 千葉県房 総半島の先端、野島崎灯台や根本海岸
- 千葉県 銚子の犬吠埼灯台
- 茨城県 大洗磯前神社 — 正月の初もうで客で撮影場所がないかもしれません
関東でぱっと思いつくところは以上のようなところです。やはり海側が開けている場所としてすぐ思い浮かびます。
参加するか?
先に撮影地の話を書いてしまいましたが、日食撮影に参加するかというところから検討しなければなりません。
なぜなら日食用のNDフィルターを用意しなければならず、結構値段がするからです。
仮に600mmフルサイズで狙う場合・・・買ったばかりのSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporaryを投入すると95mmの日食用NDフィルターを買う必要があります。
日食用のNDフィルターを出している有名メーカーのものは以下の2つでしょうか。
- Kenko NDフィルター PRO ND100000 日食撮影用
- MARUMI NDフィルター DHG太陽撮影用
ただし、Kenko製もMARUMI製も95mm用は見当たりません。82mmまでです。探すとIceというところのNDフィルターセットで、ND100000/ND1000/ND64がセットになって2万円弱です。かなりの出費です。
600mmを使うにはフォーサーズを使う方がコスパは良いです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIのレンズフィルター径が58mmなので、これで検討すると7000円程度でありました。
標準の50mmも動員するとSIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Artが出番です。こういうときは明るいレンズがあだとなります。。。
あるいはソニーのFE 24-105mm F4 G OSSを使う手もありますが、どちらのレンズもレンズフィルター径が77mmです。77mmになるとフィルターの価格も1万円をこえます。
***2018年12月25日に追記更新***
フィルターの購入に間に合わない場合、太陽撮影用の金属フィルターを加工して利用出来るとアドバイスをいただきました。(Thanks to 星空ハンターさん!)
今回は部分日食ですが、皆既日食の場合は皆既中にはフィルターを外して露出を合わせるので、ねじ式のフィルターでは外しにくいことを考えたらこちらで被せた方が良いようです。
枠はボール紙を使い、透けないように艶消しで塗装をした方がいいとのことです。また事前に光が漏れないかチェックした方が良いです。
2019年の展望
まだ1月のしぶんぎ座流星群と部分日食のことしか書いていませんが、天文現象から見た2019年は1月のイベントが最大であり、その後は大きな期待がもてないということでした。みずがめ座流星群に一縷の望みを託す感じでしょうか。
逆にいうと星追い人ではない私は、風景メインで安定した活動がしやすい1年と言えるかもしれません。いつも追いかけている被写体ベースのロケーションに複数回出没し、撮影を進められれば良いかなというのがざっくりとした展望です。