デジタルカメラマガジン2020年6月号 プリント部門佳作 入賞

デジタルカメラマガジン2020年6月号 プリント部門佳作 入賞

2020年5月20日発売のデジタルカメラマガジン(以下DCM) 6月号フォトコンテストで入賞しました。

こんなことを書きます!

デジタルカメラマガジン2020年6月号 プリント部門で佳作を受賞をしたので、そのことにまつわることを書きます。写真家、萩原俊哉先生にまつわることも少し触れます。

受賞した作品

タイトル:春の雪の夜

SONY ILCE-7M3 (21mm, f/2.8, 15 sec, ISO6400)
嬬恋村 カラマツ林

2020年3月24日、群馬にて雪が降っているという情報を得て、翌日に有給をとって世中の撮影に行きました。2020年DCMで5月号に引き続き受賞ということで天気も含めて幸運でした。

講評

審査員は鶴巻育子先生。鶴巻育子先生からは以下の講評を頂戴しました。

選者(鶴巻育子 先生)からのコメント
【講評】季節外れの雪が降った日の嬬恋村の美しい夜景。雪が溶けてシマシマになった地面が立体感を与えています。カラフルな色みは車のランプだそうですが、春らしい演出でメルヘンチックな風景になりました。

【アドバイス】広い余白が目立ち(注:プリント部門のため、プリントした写真の余白は自由に設定できます)、作品に集中できないのが残ねです。このような風景写真は大きくプリントしてディテールを見せると作品の良さがより伝わります。作者は、先日急逝された萩原俊哉さんが、生前「嬬恋村に雪が降った」とSNSに投稿されたのを見て翌日撮影に向かったとのこと。作者の行動力のすばらしさもさることながら、この作品は萩原俊哉さんの写真と嬬恋村への愛からつながった素敵な風景写真だと感じました。

当日の撮影状況について

2020年6月号の発売日は5月20日。俊哉先生の四十九日にあたる日でもありました。この号には先生の作品も載せられている号になりました。
改めて俊哉先生に頂いた賞であり、撮らせていただいた作品であり、俊哉先生とのつながりを残してくれた1枚になりました。

3月24日、俊哉先生のFBに

「嬬恋村は大雪っす。桜の頼りに誘われてスタッドレスから夏タイヤに替えてしまったそこのアナタ! 関東北部山沿いに来られる際にはタイヤチェーンを携行してくださいね!」

という投稿を、自宅勤務中に発見し、慌てて翌日の有給をとって業務完了後に嬬恋村に向かいました。

東部湯の丸ICを降りて、長野県と群馬県の県境、湯の丸スキー場を過ぎたのが午前2時30分頃でした。山を登り始めたころから雪が見えましたが、湯の丸スキー場は一面の銀世界でした。ここから嬬恋村側に降りていくのも雪が多く、夜ということもあり神経を使う下り坂を超えていきました。

午前3時前には現地に到着し、すぐに撮影を始めましたが、寒さは極寒の真冬のようで外に立っているのがつらいくらいでした。

現地ではすでに数名の方が撮影されていて、私の後にも数名いらっしゃいました。

余談:星景撮影を終えての翌日

余談ですが、翌日は有給でしたので愛妻の丘で朝日を待ち、その後北方のバラギ湖に立ち寄りました。
ここで事件が。四阿山に向けて撮影していて、ちょっとカメラから離れたすきに三脚ごとカメラが倒れていました。突風が吹いて倒れたようですが、私は一切気がつきませんでした。車から物をとって戻るほんの1、2分の事です。
雪がクッションの代わりになり、カメラは無傷でした。倒れた音すらもしないくらいでしたので、本当に幸運でした。今も元気に動いています。

初めての嬬恋村を堪能できました。俊哉先生のお住まいの地域で、先生ならどうするんだろうかなんて思いながら撮影してきました。

愛妻の丘
バラギ湖

萩原俊哉先生との思い出

上のアドバイスに触れられていましたが、写真家萩原俊哉先生が2020年4月9日に急逝されました。

萩原俊哉先生は、ニコン機材を使って風景写真を撮られる方のみならず、風景写真を撮られる方ならお名前をよく聞くと思います。
私もカメラを買った当初は、旅先や桜を見に行って撮影ばかりしていたので、自然と風景写真の数が多くなりました。
そういった中、ガンレフという写真投稿サイトの中で、プロの写真家からアドバイスをもらえる有料サービスがあり(今はサービス終了)、萩原俊哉先生に拙い作品の講評をしてもらったのが、俊哉先生を知るきかっけでした。

初めてお会いできたのは2015年7月18日の事です。
インプレス社から出版された「世界一わかりやすいデジタル一眼レフカメラと写真の教科書 四季の風景編」(以下、「デ写教」)の発売イベントとして撮影会があり、その企画に応募して当選したのでした。

萩原俊哉の「世界一わかりやすい 風景写真教室」イベント

場所は志賀高原でした。個人的には初めて訪れる地でしたし、うれしくて早く着くように夜通しで出発しました。集合場所の駐車場に時間前に着いたので車内で待っていたところ、一台の赤い車が後から入ってきました。降りたのが俊哉先生で、すぐさまご挨拶に行ったのがファーストコンタクトでした。

デ写教をテキストにして講義があり、その時頂いた本に全員俊哉先生のサインを頂いてみんな大喜びでした。その後撮影会でしたが、生憎の雨模様でした。それでも果敢に撮影する先生の姿をまねて、撮影したのは良い機会となりました。雨の中でも木道に腹ばいになり、できるだけ池の水面にカメラを近づけて・・・スイレンを入れて撮影・・・そんな姿を思い出します。
1日だけの撮影会でしたが、私は志賀高原に宿をとり、翌日は習ったことの復習とロケハンを兼ねて撮影して帰ってきました。

その次に俊哉先生とお会いしたのは3年後の2018年8月25日~26日でした。
この時は1泊2日の撮影会が企画され、それに応募して当選したのでした。

「美しい信州を撮ろう! 写真家と巡る信州撮影ツアー」

この時は俊哉先生だけでなく、お兄さんのプロ写真家 萩原史郎先生もご一緒するという豪華な撮影ツアーでした。この時も志賀高原および飯山市での撮影でした。
残念ながらこの時も志賀高原での撮影は雨もようでしたが、時折晴れて虹が出たりという感じでした。その夜は、俊哉先生、史郎先生によるRAW現像講座が行われました。スポンサーとしてマウスコンピューター社さんが入っていて、DAIVのPCを使ってのRAW現像という夜講義でした。
翌日は早朝より雲海狙い、公園での撮影、マウスコンピューターの本拠地/飯山市に向っての工場見学、称念寺での撮影と盛りだくさんでしたが、良く晴れてくれました。

称念寺

俊哉先生と直接お会いしたのはこの2回だけで、CP+でお見かけすることくらいしかなかったのですが、Facebookでつながっていて時折投稿を見ていたので、私にとってはとても身近な存在のプロ写真家でした。

あまりにも早すぎる・・・先生の訃報を史郎先生のFBで見て思いましたし、今でも思っています。俊哉先生、ご指導ありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

プリントに使用した用紙

今回、私が使用したのはピクトリコのフォトキャンバスペーパーでした。初めてこれを使ってコンテストに応募しました。

フォトキャンバスペーパー

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