下記の記事でRAWファイルとJPEGファイルの違いを解明しました。そして色味も微妙に違うことを書きました。
記事:RAWとJPEG、同じものを撮っても違う2つファイル LightroomでRAWが薄味に見える理由が見えた!
ただし基本的には撮った画像のRAWファイルからそのままカメラメーカーで提供している現像ソフトを使ってJPEGファイルを出力すれば、大きな差はないことが多いです。
今回はもっと大きなズレ、画像データを見た際の色と、実際に写真としてプリントした際のズレを考えたいと思います。
こんなことを書きます!
私のデジカメ歴
記事:JPEG 30周年記念!? 2018年はJPEGの記念すべき年だった? あんまりカメラには役立たないJPEGの歴史。
でも書きましたが、私が最初に買ったデジカメはカシオのQV-100です。1996年8月24日発売とありますが、いつくらいに買ったかまでは覚えていません。
ただし、この頃はデジカメで撮った画像を写真として印刷するというところまで考えるものではなかったです。36万画素というスペックは今では???というものでしょう。
私も別にコンパクトフィルムカメラを所有していたと思います。あくまでもデジタルギアというかギミック的なものとして所有していた感覚です。
次に買ったのがニコンのCOOLPIX 950です。1999年発売のこのデジカメでは、コンパクトフラッシュ(CF)を使うことになりました。211万画素のカメラで、今入っているCFカードを見ると128MBでした。MBですよ!GBではない。。。
京セラのFinecam SL400Rというデジカメを買いました。2004年3月に発売のこのカメラは400万画素とQV-100の10倍以上という画素数になり、SDカードを使い始めることになりました。京セラも作っていたのです。林立時代ですね。
旅の記録やゴルフに行った時に撮っていたみたいです。画像が出てきました。
越前ガニを食べたぜいたく記念に。
KYOCERA Finecam SL400R (5.8mm, f/2.8, 1/45 sec, ISO125)震災で流されてしまった茨城県五浦の六角堂。
KYOCERA Finecam SL400R (5.8mm, f/2.8, 1/350 sec, ISO100)
新しいクラブを買って初ラウンドした時に。
いずれも2005年の撮影ですが、1200×1600 ピクセルで72dpiありました。400万画素なので、L版くらいは問題なく印刷できたのではないかと思います。
ファイルのプロパティをみてもちゃんとしたカメラだなと実感。ただし、私は意味を理解せずオートで撮っていました。ただの記録用であり、どうとるかはあまり意識してなかった時代です。
ここまではレンズが回転でき、自分を入れて風景も写せるタイプのコンデジでした。QV-10の印象が強かった影響もあると思います。
その次に購入したのが2009年2月に発売された富士フィルムのコンパクトカメラです。FinePix F200EXRです。とうとう1200万画素という4桁に到達しました。しかもISO12800もあったのですね。知らなかった。
この頃より、コンデジをカメラとして意識して使うようになってきたと思います。1200万画素になった恩恵もあり、L版で出力しても支障ないとおもえたのです。
前置きが長くなりましたが、ここからデジカメで撮った画像ファイルを写真としてプリントしても、液晶モニターに写しだされる色とは違うことに悩むというか、悩む前に仕方ないものだと勝手に受け入れていました。自宅のプリンタで印刷しても、カメラ量販店で印刷しても色味のズレは発生したからです。
2009年、キヤノン機で言えばEOS 7D(無印)やEOS 5d MarkⅡが発売になった年でした。ニコン機で言えばD300SやD5000。すでにデジタル一眼カメラが一般家庭にも浸透している時代です。
前年の2008年はEOS Kiss X2が発売され、フィルムのEOS Kissが生産中止になっており、2008年から2009年がデジタル一眼にシフトを完了した年であったかもしれません。
カラーマネジメント
今なら理解できるこの言葉も、当時は思いつきもしませんでした。
そして液晶モニターは透過光、写真などの紙に印刷されたものは反射光の違いがあることに。
さらには液晶で表示された情報をプリンタに送る際にズレがない(あるいはわからない範囲までズレを減らす)ためにはモニター、印刷用紙、プリンターの色の情報を同じ指標で受け渡さない限りズレが気になるレベルで残ってしまうのです。またこれが難しいというか、ややこしい。このことを理解し始めたのはここ2,3年です。
以下の3つで見れたり処理される色は、調整をしなければ差が生まれるのです。
- モニター
- 印刷用紙
- プリンター
すべての調整することを、カラーマネジメント、色を合わせる処理のことをカラーマッチングと呼ばれています。
また適切に色を表示するためにはデジカメ側でどういった出力をするか意識したうえで色空間の設定を決めることが望ましいです。sRGBにした方が良いのか、Adobe RGBにした方が良いのかと巷で話題になる話です。一長一短、ご自身のワークフローや環境を理解して決めるのが望ましいと思っています。(ただし最大公約数的に言えばsRGBの方が多くの人に支障なく使ってもらえます)
これを書くために余談が長くなりましたが、そのまま撮影、そのまま印刷では色のズレが起こることを理解いただけたら今回は十分かなと思います。
では、それがなぜ起こるかは長くなるので、少しずつ書いていきたいと思います。ヒントは書きました。透過光と反射光がそれです。