星の写真物語: オリオン殺人事件の真犯人はだれだ? 2つの証言を追う

まずはこの1枚を。

SONY ILCE-7M3 (0mm, f/0, 10 sec, ISO12800)

オリオンが殺害された瞬間をとらえた映像です。この星空を星座絵で復元してみると以下のようになります。

見事に腹部を貫通しています。
しかし実は死因ははっきりしていません。と言いますか、オリオンが死に至るストーリーは実は諸説あるのです。

  1. さそりに刺殺された
  2. アルテミスが(誤って)射殺した

さそり座とオリオン座

1の仮設の有力な物語が星座のさそり座とオリオン座です。さそり座は黄道12宮、つまり12星座に数えられています。

なぜか?
さそりからくるイメージはネガティブで、決して良いイメージは先行しません。

オリオンは海神ポセイドンの子というもありますが定かではありません。(ギリシャ神話ベースですから当たり前ですが・・・) その血を受けつぎ、ギリシャ随一のたくましい狩人であったとされています。そこで「私にかなう動物などこの世にもあるものか!」と高言し、それに怒ったガイア(あるいはゼウスの妻ヘラともいわれる)が大さそりを放って彼を刺殺させたというのが有力な話です。

その結果、大さそりはその貢献をもって天空に昇ることができ、さそり座となったのです。一方、オリオンも天空に昇りますが、さそり座が東の空から登ると西の空にオリオンが隠れるといわれています。さそり座が夏の星座、オリオン座が冬の星座として二分して代表されるのはこんな話があるからです。

アルテミスとの関係

アルテミスは月の女神です。太陽神アポロンとの双子の兄妹です。つまり太陽と月です。
この月たるアルテミスは狩猟の女神でもありました。狩猟の女神が当代随一の狩人オリオンと恋に落ちるのです。しかし、アルテミスの兄アポロンは粗暴なオリオンを嫌っていて奸計を図ります。アポロンは狩猟の女神アルテミスの弓の腕をバカにして、遠くの海の中に入って頭部だけを出していてたオリオンを指さして「あれを射ることができるか?」と挑発したのです。

アルテミスは矢を放ち、その矢でオリオンは死んだのです。翌日、浜に打ち上げられたオリオンを見てアルテミスが事の真相を理解します。そしてゼウスにオリオンを復活を願いでますが、それは叶わず、オリオンを天に上げて星座としたのです。この時、オリオンを海に追いやったのが さそり とされ、それでさそり座もできたというストーリーになっています。上のガイアやヘラの話とは異なりますが一部似ています。

アルテミスに出会う前

アルテミスに出会う前に前段の話があります。
オリオンは粗暴の行動から一度盲目になります。その目を治療するために旅をし、その途中で暁の神エーオスと出会います。エーオスはオリオンに恋をして、兄ヘリオスによってその目を治すことができたのです。
このエーオスはそうEOSの語源です。こんなところにオリオン座とカメラとのなじみがあるのですね。

このエーオスとオリオンは交際することになりますが、その最中、オリオンはプレイアデスの七姉妹にも夢中になり、彼女たちを追い回すことになります。このプレイアデスの七姉妹がおうし座のブレアデス星団、和名ですばる(昴)星です。だからオリオン座の近くにいて追い回されています。
エーオスは夜明けを告げる神でしたがオリオンのことが気になって仕事を切り上げてしまうため、夜明けの時間が短くなり、それを不審に思ったアルテミスがエーオスを訪ねてきます。そこでオリオンとアルテミスが出会うことになります。(他の出会いのストーリーもあります)

死因は?

様々な証言があり、写真から特定は困難です。さそりに刺されたからか? アルテミスの矢にあたったからか?
写真を見る限り頭部というよりは腹部貫通です。そうするとアルテミスの矢に当たったというよりはさそりに刺された可能性が高いです。星景写真をするものとしてもその方がしっくりきます。
しかし真相は神のぞ知ることのなのかもしれません。

私が星に興味を持つきっかけはこのさそり座の話からです。私は11月生まれでさそり座だから、「なぜ さそり?」と考えました。そこから星座に興味が出て、中学の理科の授業も天体の話は面白く、高校ではギリシャ神話の本を読み・・・あるいは映画アニメ「アリオン」のようなストーリーに引き込まれていきました。

そんな私がオリオン殺人事件の証拠写真を撮れたこともまた神の思し召しなのでしょうか。

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