2019年10月25-27日の美ヶ原高原美術館 星景撮影会撮影記

2019年10月25-27日の美ヶ原高原美術館 星景撮影会撮影記

2019年10月、美ヶ原高原美術館内を特別にお借りできるイベントに参加することを表明してきましたが、その撮影記です。
2019年としては5月に引き続き2回目の開催となりました。

記事:2019年5月の美ヶ原高原美術館 星景撮影スケジュールプラン

記事:2019年5月24-26日の美ヶ原高原美術館 星景撮影会撮影記

今回は下記のスケジュールプランの催行結果の撮影記です。

記事:2019年10月の美ヶ原高原美術館 星景撮影スケジュールプラン

こんなことを書きます!

2019年10月、秋の美ヶ原高原美術館で特別許可を得て星景撮影をしてきました。その撮影プランに対する実施結果を書きます。

プロローグ

2019年10月25日(金)から27日(日)の2泊3日で、今年2回目となる美ヶ原高原美術館の特別許可をいただいて2日間に渡って野外展示場のモニュメントたちと星景写真撮影を行いました。(通常は夜間入場することはできません)

2019年の今年は夏から土日になると天候不順でした。秋になれば少しは良くなるかなとの願いもむなしく、秋も台風の影響をたくさん受けました。
10月末なら大丈夫かと思ったのですが、台風19号が発生して影響を受けることに・・・19号の影響で直後は中央道高尾山JCT近辺や大月IC付近で土砂崩れによる通行止めが発生しましたし、美ヶ原高原へのルートの一つ、上田市側から登るルートが通行止めとなりました。

さらに台風20号の発生で雨の恐れが・・・

今年の夏からの天候不順と台風については記録の意味を含めて、最下部に小さな文字で記載しましたが写真とは関係ないのでスルーしてください。
台風20号の影響があった結果、25日の金曜日の夜は雲に覆われることになりました・・・

GPV天気予報

当初台風20号の進路はまっすぐ北上して東海、関東甲信越を直撃かとみられてましたが、途中から八丈島近海で右にそれる予報になり、実際にそうなりました。
そうとは言え、20号の影響で10月25日(金)は雨予報でした。GPV、YamayamaGPVでもその様子は見てとれました。

GPV天気予報:http://weather-gpv.info/

しかし実際には25日の夜は雲が薄くなる予定でしたが終始暑い雲が美ヶ原高原を覆ってました。

実際のタイムライン

さて実際のタイムラインです。

■10月25日(金)

12:00 岡谷ICを降りて、近くのファミレスで昼食 買い物をして車で山登り
  —雨の中央道でいつも以上に時間がかかりました。やはり八王子JCTの近く、相模湖に入る前に上り方向斜面から土砂が流入した跡がありました。雨の中、車の上げるしぶきが途中から茶色くなりました。
  —岡谷ICからの山登りは途中に道が一部崩落しているところがあり、台風19号の被害の大きさを実感。
14:30   集合 美ヶ原高原山本小屋にチェックイン完了
15:45 会議室に集合
  —厚い雲に覆われるとの現地での予報から、初日夕食をすき焼きに変更し、翌日を弁当食にすることに
  —翌日未明、午前4時20分頃にISSが見られるかもしれないということでそちらに備えることに
03:30 山本小屋前に集合 — 自由行動
03:40 美しの塔に到着 撮影位置を考える
04:00 撮影開始
04:21 目視でISSの移動も確認  —宿に戻って風呂に入っていると美しい朝焼けになり、慌てて風呂から上がって朝焼け+朝日も撮影

SONY ILCE-7M3 (15mm, f/2.8, 10 sec, ISO6400)
SONY ILCE-7M3 (50mm, f/5.6, 1/30 sec, ISO200)
SONY ILCE-7M3 (50mm, f/8, 1/10 sec, ISO100)
SONY ILCE-7M3 (50mm, f/14, 1/60 sec, ISO100)

■10月26日(土)

08:00 朝食
10:00 山本小屋を出発し、美ヶ原高原美術館へ移動 — 午前中は美術館にてロケハン
12:00 美ヶ原高原美術館にて昼食
14:00 山本小屋へ帰着し、撮影に備え各自ゆっくりと休憩
16:45 美ヶ原高原美術館へ移動
17:00 美術館着 — 弁当食 原則自由行動、各自で明るいうちにロケハンしたり夕景を撮り始める (日没は17時07分)
23:30 美術館撤収
00:00 山本小屋帰着 — 自由行動

そして撮影結果!

到着直後はまだまだ雲が厚い状況。初めての参加者のために目標のオブジェの位置だけ簡単にお伝えする簡易ロケハンを実施しました。
機材の場所に戻ってみると多くの方がお弁当を食べている状態でした。まだお腹も空かないこともあり先に撮影機材の準備をして出撃しました。

今回は1日目を東半分、2日目を西半分と想定していましたが、1日分しかないので東半分を中心に撮影することにしました。

SONY ILCE-7M3 (29mm, f/2.8, 15 sec, ISO6400)
SONY ILCE-7M3 (29mm, f/2.8, 15 sec, ISO5000)
OLYMPUS E-M1MarkII (8mm, f/2, 13 sec, ISO6400)

サモトラケのニケのレプリカ前で撮影の準備をしていると徐々に雲が晴れてきました。とりあえず坊主にならずに済んで一安心。
1台目のカメラは南西方向に撮影。降りてくる夏の大三角を絡めて撮ることもできました。2台目のカメラも出し、逆アングルで北東方向のカシオペアやペルセウス座、すばるを絡めて撮影できました。

2台目のカメラはここに放置し、メインの1台目を持って近くの「環境装置ー交差する直方体」を狙いに行きます。このオブジェは風で動くためなかなか静止してくれませんが、このまま放置したまま撮影してなんとか1枚狙い通りに撮れたのがありました。
SONY ILCE-7M3 (29mm, f/2.8, 6 sec, ISO6400)

アルデバランをロックオンしています。その上にはすばるも見えます。

この東側のエリアでの狙いは「垂直な空間」を利用した北天の日周運動だったのですが、北天に雲が多くこれは日周運動はこの天候では難しいということで断念です。
2台目のカメラを取りに行き、他のものとを絡めて動きながら撮影を続けます。

OLYMPUS E-M1MarkII (8mm, f/2, 10 sec, ISO3200)
OLYMPUS E-M1MarkII (8mm, f/2, 10 sec, ISO3200)

21時過ぎには一面霧に覆われたので、このタイミングで西側に移動を試みました。
途中、霧が晴れたので軽く撮影します。この美ヶ原高原美術館らしい雰囲気をということで、雲海と絡めて上田市の夜景を入れます。
SONY ILCE-7M3 (29mm, f/2.8, 15 sec, ISO6400)

西半分では狙いをつけていた「モトームーア・ヘンリーへのオマージュ」に向かいました。「ビーナス城」の近くなのでかなり奥まで歩きますが、霧で覆われてなかなかクリアな星の絵にはなりませんでした。またチャレンジしたいオブジェです。

オリオン座が昇ってくるとどうしたもそちらに目が行ってしまいます。橋の上からもオリオン座を狙ってしまいました。

SONY ILCE-7M3 (15mm, f/2.8, 15 sec, ISO6400)
SONY ILCE-7M3 (20mm, f/2.8, 15 sec, ISO6400)

23時を過ぎたら徐々に撤収の準備です。

23時半頃 美術館撤収 -
23時50分頃 山本小屋帰着

山本小屋の駐車場でも天の川も見えたりしているのでそのまま私は山本小屋前の駐車場で撮影を実施。機材を撮影放置して一度部屋に戻って部屋メンバーとかるくビールで乾杯して、雑談をしていました。1時間後に見に行ったら一面霧で撮影はそこで終了しました。こんな感じで霧が晴れてはまた湧き出てくるを繰り返す感じで、日周運動などの撮影には向かない感じでした。
SONY ILCE-7M3 (22mm, f/2.8, 15 sec, ISO5000)

■10月27日(日)

あとは帰るだけです。

7時半 朝食
9時 チェックアウトして会議室に集合。それぞれの成果などをシェア。
11時45分 解散。各自の車でビーナスラインを下ることに。帰りは最高の晴れでドライブ日和。岡谷ICではなく、諏訪ICをを目指し、白樺湖経由でドライブしながら帰路につきました。

今回の狙いと結果

■1日目(10月25日):美ヶ原高原美術館の東半分を中心に狙う

  • 1日目は厚い雲のため美ヶ原高原美術館で撮影できず。ただし、予定外のISS撮影に成功!

■2日目(10月26日):美ヶ原高原美術館の西半分を中心に狙う

  • 1日目は厚い雲のため美ヶ原高原美術館で撮影できなかったため、当初1日目の狙いだった東半分のエリアからスタート
  • 夕日から天文薄明は スタート位置近くの 「局面における位相空間」 を利用して機材を放置してインターバル撮影 — 天文薄明時間帯は雲に覆われて失敗
  • 18時過ぎは西側の「サモトラケのニケ」狙い —α7Ⅲ + 15mm/24mm/30mm:成功(α7Ⅲ+15mm/24mmで撮影、OM-D E-M1 mk2の魚眼8mmでも撮影)
  • 21時過ぎは「垂直な空間」を利用した北天の日周運動を狙う —OM-D E-M1 mk2 + 8mm魚眼  —α7Ⅲ +28mm:失敗 21時過ぎより霧に覆われたため、西側エリアに移動
  • 21時くらいに「ダイヤモンド構造」へα7Ⅲのみ移動させ日周運動を狙う —α7Ⅲ +28mm:失敗 21時30分くらいに西側エリアから移動してきたため、「ダイヤモンド構造」は諦めて少し手前の「モトームーア・ヘンリーへのオマージュ」を撮影
  • 21時45分くらいに橋のたもとから移動させたカメラで「イリアッド・ジャパン」を狙う —α7Ⅲ:失敗 「モトームーア・ヘンリーへのオマージュ」の撮影後、22時30分くらいは橋とオリオン座を絡めて撮影

今回もほとんど狙い通りにはいきませんでした。

台風の影響で1日撮影ができず不運でした。もっとも2日開催なのはどちらの天候が悪い想定です。坊主にならずに済んでよかったのかもしれません。前回の反省点として「1台を放置しつつ、もう一台で動き回っていろんなアングルで撮るのが良いかな」ということでそれをベースに撮影を続けたのですが、この方が良かったみたいです。
今回の反省はもう少しロケハンで被写体の絞り込みができていれば良かったなと思うところです。

来年開催できれば今回の反省を活かせればと思っています。

ギャラリー 美ヶ原高原

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2019年夏からの天候不順と台風20号(撮影とは関係ない、今年の夏の天候の振り返り記録ですのでスルーしてください。)

今年は夏から土日になると天候不順でした。秋になれば少しは良くなるかなとの願いもむなしく、9月2日(月)に台風15号が発生しました。9月8日(日)夜には神津島付近で発達し、9月9日(月)未明に三浦半島を通過、9日5時くらいには千葉市に上陸しました。この大規模台風15号が千葉県に大規模な停電を起こしました。

しかし今年の異常な気候はこれにとどまらず、10月に入ってから台風が来るということを引き起こしました。のちに激甚災害指定される台風19号です。
10月12日(土)の夜は悶々とした夜を過ごしました。12日の14時30分過ぎにはエリアメールで [警戒レベル4 避難勧告]が着信しました。町内でも丁目が少し違ったので対象ではないと思いつつ、すぐに自分の住む丁目も含むエリアが対象となりました。もう夜になっていて非難するのも困難が多いため、このまま自宅で台風が抜けることを待つことになりました。

1階の寝室から2階に移動して寝ることにし、1階に置いてあった毛布や食料なども2階に移しました。夜中はずっとYahooなどをチェックし続け、荒川水系の水位をモニターしました。ようやく大丈夫かなと思えるようになったのは0時近くになってから。水位のモニターでは通常の水位の変化とは違う劇的かつ人工的な水位の下降が見られてからでした。これで助かった・・・そう思えた瞬間でした。

一時は下町一帯が洪水に見舞われ、自宅の1階や車が水没することも覚悟しましたが、結果的にそうならくて良かったです。
一方で長野や多摩川、千葉、東北の一部の地域で洪水に見舞われた方々にはお見舞い申し上げます。美ヶ原も長野の一部なので、多少の不便があっても旅程はキャンセルすることなく実行できて良かったですし、個人でできることとしてはお土産等で長野での買い物を多くしたり、後日、わずかながら募金をしました。早い復旧を祈っています。

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