まずはこの1枚を。
アルテミスとオリオンの密会現場です。月の左下にかすかにオリオンが見えますね。アルテミスの月明りが明るすぎるので、この星空を星座絵で確認してみると以下のようになります。
月の女神アルテミス
前回、
星の写真物語:オリオン殺人事件の真犯人はだれだ? 2つの証言を追う
でも書きましたがアルテミスは月の女神に称されます。これは太陽神アポロンが太陽の神ヘリオスと同一視され、アポロンの双子の兄妹アルテミスも月の女神セレーネと同一視されるためです。ちなみに月がルナと呼ばれるのは、ローマ神話では月の女神がルナであるからですが、このルナとアルテミスも同一視されています。
アルテミスはアポロン同様弓矢を持ち、その矢には突然の死をもたらす疫病の働きがあるとも考えられおり、恐ろしい神の側面も持っていた。普段は山野で狩りをすることを好んだ神でもあった。
冬のダイヤモンド
月の女神をアルテミスに贈られたのは冬のダイヤモンド。
ふたご座、ぎょしゃ座、おうし座、オリオン座、おおいぬ座、こいぬ座の真ん中に月に称されるアルテミスが現れてくれました。
この6つの星座は1つ以上、ひときわ輝く星で構成されています。そのうち、以下の6つの星が冬のダイヤモンドを構成してくれます。
- ふたご座:ポルックス
- ぎょしゃ座:カペラ
- おうし座:アルデバラン
- オリオン座:リゲル
- おおいぬ座:シリウス
- こいぬ座:プロキオン
見事に冬のダイヤモンドのカッティングの中に月齢12.1のアルテミスが現れてくれました。
翌日の2018年1月20日ですと、オリオン座の後方に移動してしまうのです。月に1、2日しか冬のダイヤモンドの中、オリオンの前にアルテミスは現れてくれません。
アルテミスとオリオン
アルテミスはギリシャ随一の狩人オリオンと恋に落ちました。
しかし、アルテミスの兄アポロンは粗暴なオリオンを嫌っていて奸計を図ります。アポロンは狩猟の女神アルテミスの弓の腕をバカにして、遠くの海の中に入って頭部だけを出していてたオリオンを指さして「あれを射ることができるか?」と挑発したのです。
遠くにいてオリオンと気がつかなかったアルテミスは矢を放ち、その矢でオリオンは死んだのです。翌日、浜に打ち上げられたオリオンを見てアルテミスが事の真相を理解します。そしてゼウスにオリオンを復活を願いでますが、冥府の王ハデスの反対でそれは叶ないません。ならばせめてと、アルテミスは全知全能の神ゼウスに「オリオンを天に上げてください。そうすれば、私が銀の車で夜空を走って行く時にいつでもオリオンに会えるから」と願い出ます。ゼウスもこれを聞き入れ、オリオンは星座として天空に上がり、月に一度アルテミスが愛に来るのを楽しみに待っているのです。
その密会現場を撮ったのが先の一枚です。
OLYMPUS E-M1MarkII (8mm, f/1.8, 5 sec, ISO800)
別のところでも目撃されていました。間違いなく月1回のデートを楽しんでいるようです。来月は2月15日、月齢10.2のアルテミスがオリオンと密会するはずです。